AFF 2004 その8 延長戦


こちらは亀岡さんのコンターデザイン。製作法は前の浜本さんのところでご紹介しましたが、 エボニー削り出しw。豪華です。この形状がとれるエボニーというのも、厚みといい大きさといい ずいぶんとスゴいのが必要です。ただこの製作法なら、太くなったり細くなったり、細かい彫刻や インレイ、その他装飾的なアプローチに対しては有利な方法ではないかと思います。 バインディングとともにうまくデザインすれば、かなり凝ったものができると思うのですが、 製作者の御苦労を思うと…w。

コンター自体は、肘ののせる位置の関係などから、やはりけっこう弾きやすくなるのでありがたいです。 トップとの音の関係と、デザイン的な折り合いがつけばぜひ使いたいオプションの一つです。
ここでは亀岡さんの製作法をご紹介です。もっとも大きな違いは、板を貼るのではないと言う点でしょう。 図のように、コンターとなる部分にカーフィングのかわりにエボニーから切り出した湾曲した固まりを 内側に貼っておきます。たぶんですが断面は三角形w。端っこはどんな形状にしているのかお聞きするのを忘れましたが、 Rで仕上げられているのかもしれません。ここでは便宜上真っ直ぐですw。
肘、腕の当たる部分を考えながら、斜めに削り落としていきます。いわば一種の彫刻ですね。 このとき、中のエボニーが許す範囲であれば、直線でなくとも凹んだRや、連続した曲線ではない 装飾的な削り方もできますね。ただ、その場合バインディングの処理をどうするかは別の問題ですがw。 強度的にはこの方法がはるかに強いと思われます。なんたって中には最強のエボニーが固まりでw。
エボニーなので、磨いて仕上げれば塗装後には本当にきれいな表面が得られます。 この方法のもう一つのメリットは、この部分へのインレイなども可能だということです。 板を貼る方法では、どうしても曲げる必要から板へのインレイになりますので、貝の厚みや曲がった面への インレイワークとなり大変です。こちらのタイプでは厚みが残っていればヘッドなどと同様に インレイし、あとでカーブに沿って削るという方法も採れます。重量が重くなりますが、 どちらにもメリットがあるので、コンターを付けると言うことが決まっていれば あとはデザインで選ぶという手もありますね〜。いや、それで良いのか??w
OMのカッタウェイ部分です。ローズのバインディング、木目も見えてカッコイイですね! ハカランダかもしれないんですが、細くなってしまうといまいちよくわかりません(汗。 各面ごとに細い白のラインが、それぞれの面を区切っていくデザインとなっています。 特にサイドなど、Rがよく強調されるようで面白いです。ネックヒールとサイドはカッタウェイ部は完全にツライチです。 ヒールには真っ黒のエボニーがかなり厚めに嵌っています。ネックは着色していないマホガニーなので、 かなり白く感じるかもしれません。画質調整で明るくなっているのも理由の一つですがw。
ブリッジです。やはりかなり厚みのあるサドルが特徴的ですね。音にも良いと思います。 ブリッジの全幅はご覧のようにやや長めです。両側の削りはしっかりあり、もっともネック側の断面も 削りが入った形です。ソモギなどはここは大きなRで、エンド方向へ削りを入れていきます。 そうするとブリッジ全体の左右の動きはマーティンタイプよりは抑制されますが、 ブリッジ自体の重さや削り込みの形状、深さなどでうまく作っているようです。 ブリッジピンの配列はサドルと並行型。この部分での各弦のテンションのばらつきはありません。 ピンはエボニーでしょうか。そういえばピンでは、「でぇよんごぉ」さんが出展されていました。 染色の試作品をいくつか見せていただきましたが、茶色のものがかっこよかったですし、 緑っぽいのもなかなかいい感じでした。ぜひ一度お試しいただきたいと言うことで、各製作者の方に お試しいただいていたようです。皆様もぜひ一度!w
ヘッド裏です。ローズの板が見事にRを描いて貼られていますね。 ボリュート周りのデザインもすっきりしていていい感じです。ここは演奏性にも関わるので、あまり特殊な形状は 使えないんですが、最近は製作家の人それぞれがいろんな形をデザインしています。ただ、万が一、ま〜んがいち〜〜! ギターを倒してしまったとき、ヘッド裏に一枚貼ってあるとちょっとだけ安心です。チョトですよw。 ペグはおなじみ510。エボニーつまみなのですが、画像の関係で白飛びしています。エボニーですよ〜〜!

亀岡さんには当日本当にいろいろとお話をいただきました。それでも伺いきれないことがたくさんあって、 アレも聞いておけば、これもそれもとまだまだ不十分なわたしでした(トホホ汗。 会場ではフィンガー系の皆様に大人気で、入れ替わり立ち替わりのお客様が試奏に、対応にとおいそがしいところ、 ご丁寧な応対をいただきました。本当にありがとうございます。

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