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こちらは刈谷でもたいへん好評を博した、大西さんの12FスロットヘッドOOOです。今回で2度目ですが、 じっくりと、また雑音のない環境で弾かせていただくことができました。あいかわらずきらびやかで 綺麗な鳴りです。出音が軽く、小さなタッチの力でも十分に鳴ってくれます。 サブのブレイシングの配置に特徴がありますが、どうやらこのパターンは一つの解として定着しそうです。 デザインは、派手ではないがアピールポイントのある上品さを感じます。やはり指板のフラワーパターンは 美しいですし、品があって目立ちます。ロゼットのアバロンといい連動ですね。 バインディングはシンプルですっきりしており、この辺りのバランスがとても良いです。 OMタイプのPGもアクセントとして決まっています。 | |
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やはり指板のインレイは効果的w。ハカランダのブリッジはマーティンタイプよりはやや長めで、 オリジナルデザインとなっています。両端にかけてスムーズなRで薄くなっていき、トップと接します。 スロットヘッドの利点としてヘッドアングル以上の弦テンションが稼げると言うことだそうですが、 スケールの短めのギターやボディの小さいものの場合、そうした利点をうまく生かすことによって 音の張りやボリュームに反映させられるのかもしれません。 | |
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ヘッド裏のボリュートはビンテージマーティンのようなシャープでロングスタイル。 とても綺麗に作ってあります。ネックは薄目で、大変押さえやすく仕上げられています。スロットヘッドなので ナット幅がいくぶん広くなりますが、最近は45mmというものも少なくないので違和感はありません。 バックはローズバインディングをセンターに、木目のはっきりしたマホガニーです。低音側のウェストのくびれに、 小さなインレイが見えるでしょうか。 | |
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その部分のアップです。画像上がトップ側。左がネック側です。小さな2枚のMOPのインレイがアクセントです。
バインディングはご覧のようにローズに白黒のマルチプル。シンプルです。おそらく全体がこれだけだと、
ちょっと寂しい印象になるでしょうが、上でもありましたように豪華な指板のインレイとロゼットの
アバロンなどが上手いバランスで配されているので、全体的にとてもスマートな印象です。
また、この部分のインレイのようにちょっとした遊びもあり、魅力的なギターになっています。
今回は四国からおいでいただきました。気になっていた水害の復旧はほぼ終わられたようです。 なんでも工房の上屋は流されて近所の田圃に引っかかっていたとか。大変な作業だったと思いますが、 もう問題はないとのことで安心です。次回作はすでに取りかかられているそうなので、期待です! |