神戸オフ 春 2005 06

こちらはドイツのルシアー、アルバートミューラーの逸品です。近年ドルフィンさんを代理店に、 日本に紹介されるようになりました。基本的な技術はどうもクラシックギターをベースにしているようで、 非常に表情豊かな音と深い鳴りが特徴です。機種によって、音量が非常にあったり低音がどんどん出たりと、 デザインから受ける印象とは違って意外とパワフルなギターでもあります。今回はそのトップレンジ、ジャーマントップに フィギュアードコアの一本です。ご覧のように端正なたたずまいのギターで、ヨーロピアンデザインの スマートな外観です。持ったときには、驚くほど軽い重量に抱えやすいシェイプと、なかなかスゴいギターです。    
目の詰まった綺麗なトップに、驚くほどの虎目が出たサイドバックです。材の良さにびっくりです。 指板がサウンドホール側に延長され、21Fまであるのが特徴です。ブリッジはピンレスタイプ。 振動特性の良さそうな形ですね〜。バインディングもコアで、パーフリングは独特のロープスタイル。 ネックセット角、サドルセッティングともばっちりで、非常に弾きやすいギターです。
バックビュー。すんごいコアですw。光線の反射で虎目が出るわけですが、まるで色が付いているかのようです。 ボディシェイプがよくわかりますね〜。アッパーはラウンドショルダーでロアーにやや幅があります。 端正にまとまったシェイプですね。ネックヒールは三角のよくあるスタイル。ヘッド裏にはサイドバック同様コアが 使われています。コア、マホガニーともにほとんど着色無く仕上げられ、木の表情を綺麗に見せています。
アップです。やはりスゴい!ところで、ドイツではコアは大変高級な材と位置づけられているようで、 レイクウッドに以前あった56という品番はコアでした。54がハカランダなので、ハカランダより上位の品番が 与えられていました。確かにこの美しさを見ると、さもありなんと思われます。
ネックヒールジョイント部分。ヒール部はクラシックの作法にならって、いくつかのピースからできています。 エンドピースはエボニーでしょうか。ほぼ無着色のマホガニーネックです。サイドのコアもスゴいw。 コアのバインディングとロープスタイルのパーフリングがよくわかりますね。
最後にヘッド裏とチューナーです。チューニングマシンはFREE WHEEL TUNER。黒蝶貝のボタンが渋いです! スロットヘッドなのですが、非常に厚みがありがっしりしています。裏に当てたコアもかなり厚く、 ヘッドの部分の補強にも役立っているでしょう。ところで、「ヘッドにはさめるチューナーがなかった」 そうで、当日アコあこさんがお持ちになったヤマハのチューナーを試し、この分厚いヘッドにも挟めることを発見! 早速の手配となったようです。

とてもふくよかで綺麗な音で、少しナイロン弦のテイストが混じった音が表情ゆたかです。まさにインストゥルメンタルの ための一本だと思います。

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