Lakewood M-54 詳細部分

これはラベルを見た所。
マーティンゼリガーのサインが見えますが印刷です(笑。モデルはM-54.
何を今更、とお思いでしょうが、実はこの時期やっかいなことに、同じモデル番号で
ローズのものもあるからです。同じ54なのにブラジリアンとインディアンの2種類が
市場に出ていました。やむなく?ブラジリアンの方はM-54Jとして、後ろに
ハカランダを表すJをつけていました。このギターはまさにそのJなのですが、
ラベルは54のままです。というか、Jが入ったものがあるのかどうかはわかりません。
日本語の登録証にはM-54Jとなっているので、日本でのみ起きたことなのでしょう。
その後モデルは大きく変更され、型番と仕様もきちんと統一されました。デザインも
もっと豪華になり、いまのモデルと同じになります。特に口輪のデザインは
サイドバックと同じ木をはさんで貝でとりまく現在のスタイルになり、派手さがかなり
加えられました。余りにもおとなしすぎたと言うことでしょうか(笑。
ちなみにラベルの表記は思いっきりドイツ語です(笑。
   
ヘッドです。パースがかかっていてわかりにくくなっていますが、マーティンと同様
指板側に向かって狭くなっていく羽子板ヘッドです。この時期のレイクウッドは、
ヘッドや指板横にもバインディングが入らないシンプルなものでした。今は
ほとんどのモデルに、ウッドのバインディングがヘッドや指板にも入ります。
ヘッドベニーヤはブラジリアン。アヴァロンのロゴが入ります。
ナットは牛骨。実はラリビーのスキャロプナットはこちらの方により似合いそう
なのですが、特に不具合はないのと、サドルを実験中だったのでさわっていません。
指板は質のいい黒檀で、総じて素材は良いものが使われているようです。
糸巻きはどうもゴトー製のようです。ドイツなのに…(笑。
ヘッド裏側です。マーティンのようなダイヤモンドはありませんが、
きちんとシェイプが仕上げられています。近年ならここにローズかエボニーでも
貼るところでしょうか。レイクウッドはネックの仕様に関しては二転三転します。
マホガニーなのは変わりませんが、ヒールを接いだ2Pやヘッドもスカーフジョイントの
ものなど、結構いろいろありました。今はほとんどが1Pに統一されていると思います。
わたしの見たM-56はヘッドがスカーフジョイントで、ヒールも接いでありました。
そのギターはたまたまなのだと思いますが、最高機種でも接ぐものかとちょっと驚きでした。
ペグにはLakewoodのロゴが入っています。ボルトの位置からしてシャラーではなく
ゴトーだと思うのですが、ボタンはエボニーで、よくシャラーに見られるタイプです。
まぁ、どちらのメーカーでも精度に不満はないのでどっちでもいいっす(笑。
ネックヒール。まさにかまぼこ型!ドイツ人はかまぼこを知らないでしょうから、
日本でかまぼこ型!とか言われているとは思いもかけないでしょう(笑。
構造的に見ると、薄すぎず演奏性を考えた、いい形です。ダブで接ぐネックの場合
この部分の剛性が低いと後々ネック起きやねじれなど面倒があるかもですが、
ヒール高を下げても薄っぺらにならないサイズにしてあるので、がっちりとボディと
組み合わされています。ヒールエンドはやはりブラジリアン。こういう切れっ端は
結構きれいな木目が使われてます(笑。
サイドバックのバインディングは、ごらんのようにメイプル一本!で終わり(笑
一応カーリーメイプルです。光の加減によっては見えるのですが、ノーブルのように
バリバリ入ってるぜコノヤロウ!というほどでもありません。あくまで上品に(笑。
塗装は今時のラッカーで、かなり強固な皮膜を作っています。ネックを接合した後
塗装してあるので、ネックとボディの継ぎ目にも塗料が乗っています。
サイドの感じ。微妙に虎目の入るブラジリアンで、うねうねです。
今時のココボロのような部分もあります。ヒールの画像で見られるような、
チョコレート色の部分はあまり多くなく、木目のはっきりした部材です。
それでも近頃の事情を鑑みれば、なかなか良いものだと思います。
レイクウッドは通常のギターよりかなりネックセット角が深く、慣れた人なら
目で見てもわかるくらいです。そのぶんサドルなどが高くセットされ、テンションを
稼ぐのに一役買っています。演奏性はうちのギターの中では最も優れています。
弦高を低くしながらもテンションをかけて音に張りを出す、という考え方が
うまく生かされた設計のように見えます。ボディサイズやシェイプも、
座って弾くのにはとても良いです。もっとも、立って弾いたことがないので
比較になってませんが…
バインディングなど、このような感じです。メイプルの中にローズ(ブラジリアン?)
ではさんだアヴァロンがパーフリングです。茶色く見えるのはすべてローズです。
このギターはセルなどの素材は使われていません。そのぶん、保護の機能としての
バインディングはセルより劣ります。セルなら大丈夫ですが、木だとぶつけると
へこみます(汗。木もへこむし気分もへこむ、けっこう衝撃です(笑。

最近ではセンチュリーシリーズが人気のレイクウッドですが、この辺りのモデルも
なかなか良いと思います。あぁ!、これでこいつがカッタウェイだったら…(笑。

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