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ここでもう一つの重要な作業に入ります。ナット溝の整形です。 普通ナットをはずすと、画像のように接着剤が付いた状態で、平滑が出ていません。 おまけにベースの溝も、場合によっては真っ直ぐでなかったりします。さすがに ラリビーはきれいなものでしたが、それでも接着剤は残っていて段差がありますね。 そこで、これらを取り除いて、なおかつナットの底面とのすりあわせをしなければ なりません。今回は慎重に、ナットを壊さずにはずせたので最悪元にも戻せます(汗。 カッターでゆっくりとすき間を広げながら、丁寧にはずしてみました。時間はかかり ますが、どのみちあわてなくてもいいのですからできるだけうまくはずしましょう。 たたいてはずす必要もありますが、ネックにダメージを与えないよう、慎重に。 |
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お掃除完了!きれいにできました。実は指板両サイドのアイボロイドは、 縮んで指板より短くなっています。これは交換しか手がないので、あきらめ ます。とにかく重要なことは、指板端を削らないこと。直角を維持してナット溝を 水平に、しかも真っ直ぐに仕上げることです。指板端を削ってしまうと、音程に もろに影響しますので、できれば接着剤をはがせたら軽く紙ヤスリでさわる程度で やめておきましょう。棒ヤスリでごりごりやると、たいてい失敗しますので 大きな接着剤の固まりなどがある場合はカッターで丁寧にこそぎ落とす感じで 急いでやらないようにします。ここを失敗するとリペアはかなり痛いです。 最悪では指板交換で、とんでもない費用がかかりますから絶対に急がない!です。 あせってるな〜、とおもったら、次の日にするくらいでちょうどいいでしょう。 作業中はヘッド、指板ともマスキングを忘れずに! |
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角材状のものの、厚みをあわせた状態で仮置きしてみます。このときに ナット溝との合致具合を少しずつすりあわせていきます。こんな風にきっちり はまるまで、40分ぐらいかかっています。厚みを削るのはもちろんもっと 時間がかかっていますが、入らないくらいでやめて、後はゆっくりと合わせ ていきます。磨き上げるときにも厚みは減るので、そのあたりも注意します。 通常ならここできっちり合わせて接着ですが、今回はスキャロプなので一旦 外し、スキャロプを削り込んでいきます。接着してからでもいいのですが、 かなりの作業になるので安全のため接着しないで大まかに仕上げることにします。 |
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どんどん進みます(笑。すでに削り終わりました(笑。この画像では よくわかりませんが、弦の各ピッチは元のものよりかなり狭くなっています。 手前が6弦側で、奥が1弦側ですが1弦の方の余っている部分が元よりかなり 多くなっているのがわかるでしょうか?この時点では、弦溝は位置アタリで 最終の仕上げはしてありません。接着後、チューニングもしながら少しずつ 弦溝調整します。基本的な調整は、別項ナットのページと同じです。 私は「ピンポイントで受けない方がいい」派なので、ゆったりとしたRを もうけています。この辺りは、最終作業になりますが丁寧にやっていきましょう。 音や音質にかなりの影響が出ますので、最初はこんなラミネートナットなどで 練習しない方がいいです(笑。タスクとかで2〜3個失敗するつもりでどうぞ(笑。 |
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スキャロプの具合なども、なかなか良くなったので接着します。 プロはでかいクランプでやりますが、そんなのは持ってないので(笑、 ごらんのように弦を強めに張って圧をかけました。もちろんきちんと力配分を しないと、強い方に引っ張られてくっついてしまい悲しい思いをしますから、 位置決めは慎重にやります。ここでずれると1弦の位置を引っ込めたとか そんな話では済まなくなります(笑。 このとき、接着剤はできれば極力少な目でやりましょう。万が一失敗したときにも 外しやすいのと、どうしてもリペアに出さなければならなくなったとき(笑、 リペアマンの人に迷惑をかけないようにするためです(笑。今回は本当にうす〜く 塗っただけでした。それでも、平面が合っていれば十分強度が出ますから、 ナット作成時のような「にゅる!」っとはみ出すような使い方は避けます。 また、接着前にできるだけぴかぴかに磨いておきましょう。かっこいいです。 画像ではわかりづらいですが、結構ぴかぴかです。 接着は、確実に行いたいのでこのまま一晩おいておきます。もしも余分な接着剤 などが出ていたらすぐにふき取っておきますが、うっすらと残るので、 それは乾いてから細かいペーパーなどで仕上げましょう。もちろんマスキングは きちんとやっておきますが、隙間からしみこまないよう注意します。 |