◆ Roy Noble ブレイシング 2

これはバックの様子です。かなりがっしりとしたブレイスに見えますが、幅が細く マーティンの昔のものより華奢な印象です。また、なだらかにRを描きながら両端へ向かって 薄くなっていきます。どうもノーブルは板の中心の剛性を稼ぎ、両端、つまりエッジ部では 動きやすい設計にするのが好きなようです。これはいまのフィンガースタイルのギターなども、 そういう傾向のように思えます。ただ、Xのサブ2本が逆向きなのでw、なんとも説明のしようが…無理! 本人に聞くしかないと思いますw。サイドバックはココボロ。真ん中に見えるのは、 ただはさんであるだけのカーリーメイプルw。そういやここにカーフィングがないなぁ。 ウ〜〜ン、ますますワケわから〜〜ん!    
ちょいとアップで。内部は全体に、軽く塗装がなされています。真ん中にハカランダっぽい木目が見えます。 やはりハカランダとは樹種が近いのでしょう。 このバック、非常に目の細かい良い材です。ブレイシングに木目が見えますが、それと遜色無い詰まり方です。 詰まっていればいいというわけでもないのですが、バックに求められる性質を考えるとやはり 硬い方が都合がイイと言えます。トップの場合、極端に詰まりすぎているとしなりが左右されるので、 ベアクロウのように全体的に硬いということでもなければ適切なピッチというのがトップ材には あると思っています。アコギの場合、杢が出ていたり目が細かいことは音的に有利だと考えています。 杢のある場合加工が面倒で手が掛かり、歪みや収縮も強く出ますが、木そのもののスティフネスは なにもない場合より硬いので、通常より薄くできたりします。その分反応も早く、上手く使えば非常に よい結果があると思っています。エレキではソリッドで使うことが多く捻れや歪みが嫌われることがありますが、 アコの場合は杢は良い方向に働くと思います。
これはバックのブレイシングがサイドと接する部分です。カーフィングに潜っていますが、 相当に薄くなっています。しかもちょっとだけw。つまり、エッジ部の部分だけ強度を下げ、 板全体では分割振動を起こしにくくして、全体で振動するような考え方なのかな?と思います。 それにしてもやはりこうしてみるとサイドが寂しいw。ノーブルはサイドをラミネートする事が知られていますが、 少なくともうちのでは単板です。どうもDタイプではラミネートはせず、小型のコンサートタイプではする、という 使い分けをしているようです。何本か見たコンサートタイプでは、ハカランダでも中を見るとサイドがメイプルw。 なんてのが全部でした。2レイヤーで、内側はメイプルが多いように思います。いや、そうじゃなくてw、 うちのは単板なのに割れ止めホントに要らないのか?忘れたんじゃないのか??どうなんじゃ〜〜! (ちなみに割れ止めとは、「割れたときにそこで割れが広がるのを防ぐ」という機能で、板が割れることそのものを 止めません。ただ、これがあることで伸縮が小さく押さえられて割れにくくなるはずなんですよ。もちろん、 どんなコトしていようが単板なら割れるときは割れますw。…いや、そうじゃなくてっ!)
おしまいにヘッドなど。斜めの線はノーブルのトレードマークですね。遠くからでもよくわかります。 たまにこれがないものを見かけますが、縦ロゴだったり、フラワーポットだったりします。 ナットはデルリンのスキャロプ。ゴトーのわりと安いペグにw、自分でシャラーのつまみをつけてみましたが これがどっこい軸穴径があわないw。やむを得ず、0.1mmくらいの薄板をかまして密着させています。 このペグも交換候補の一つですw。フレットはかなり幅広でしかも高い!フィンガーとかにはぜんぜん向かない フレットがついてます。というか、このギターでフィンガーすんなってw。指板はかなり良い感じのエボニー。 ネックはノーブルが好んで使うアフリカンマホガニーです。ごく微妙にトラ目気味w。 ネックヒールは、ボルトオン構造ということもあってぶっといです。このあたりからもハイポジは捨ててますw。 音はなんとも独特のノーブルサウンドですが、ドッカンドッカン鳴ります。豪快です。 しかも反応が良い!繊細な鳴らし方でもついてきます。ノーブルは世間的にはあまり評価されていませんが、 そろそろ5年経って非常に良いギターになっています。音は良いんだよ〜〜〜。人気がないんだよ〜〜w。

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