Old GROVER のグリスアップ

●その2

 
完全に抜いたところです。想像よりはましな状態ですね。 ケースや軸、あらゆる部品を掃除します。掃除にはオイル系のもの、自転車などでは灯油を 使ったりします。ガソリンは危険ですw。今回わたしはレモンオイルを使いました。 レモンオイルは元もとリモネンという洗浄に使われる成分を抽出して利用しているので、 いわば正当な使用w。ただ、何を使うにしろあとでしっかりふき取る必要があります。 グリスと混ざると、機能低下や劣化を引き起こします。    
一通り掃除したところ。金属ワッシャにまだやや錆が見られます。 留めネジのワッシャも、ほじくり出してきれいにしましたw。

実は問題は本体の中にあるギヤの方で、これを完全に掃除することはできません。 裏蓋を外せば取り出せますが、嵌入してあるので元に戻せないことと、精度に問題が出るかもしれないので 絶対に外さないでください。つまようじを穴に突っ込んで丁寧に掃除する程度で十分です。 もしそれ以上の精度、巻き味を望む場合、新品に取り替える方が良いと思います。 オリジナルは保管、使用は新品、の方が、いろいろとメリットが大きいです。 いまはゴトーの510にもグローバー互換製品がありますので、交換も容易です。
モリブデングリスを塗りつけてちょっと穴に入れてみましたw。実際にはこの軸だけでなく、 中のギヤの歯にもたっぷり塗ってください。中のギヤは、ポストを回しながら注入していくと まんべんなく行き渡ります。また、いったん軸を入れ、くりくり回してグリスをなじませ、 もう一度抜いてグリスを塗布、入れてなじませる、といった作業を2〜3度やると完璧です。 グリス自体は何でも良いですが、モリブデングリスの方が劣化しにくいようです。 本来は車の軸受けのようなもっと加重のかかる部分に有効なので、ペグ程度の負荷ではモリブデン 自体の効果はそれほどありませんw。

グリスを入れたら組み付けです。最初にお話ししたとおり、それぞれのペグは部品の摩耗度が違うので 違う部品を使わないようにしましょう。特に、ウォーム軸とギヤは絶対に混ぜない方が良いです。 全部品を抜いて一気に作業するのは、できれば避けるか、個々のペグがきちんと分けられる箱に 間違わないようきちんと区分けしましょう。
さて、最初の間違いをチェックしながら、組み直します。ごらんのようにワッシャの順も通常通り。 組み付けで注意することは、軸を戻すときにゆっくり回しながら入れ、無理な状態で入れないことです。 つまみをつけて回したとき、固くなるような位置があれば一旦抜いて組み直してください。 オールドグローバーはギヤ比が低いのでそれほど気を使わなくても良いのですが、それでも場合によっては まずい位置で入ることがあります。弦を張って一度咬んでしまうとギヤの歯をなめてしまい、 だめになってしまいます。ここでの最終組付けは少し丁寧にやりましょう。無理な回転をしないようなら 問題ありません。つまみの留めネジは強すぎない程度にしっかりと締めます。締め忘れると軸に無理な負担がかかり、 そのまま回すと壊れます。締め忘れ注意!です。

さて、できましたでしょうか。あとは手順を逆に、ギターに取り付けて作業は完了です。 手軽にできるチューンナップ、ぜひお試し下さい。すごく巻き味が良くなりますよ〜。

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